嫌がらせの電話・メール

2023年10月17日

所定労働時間外の電話、メールの問題

就業時間外であろうとお構いなしに電話をかけてきたり、メールを送ってくる上司がいたりします。もっともメールに関しては、今すぐ対応しろなどといった内容でなければ、問題となる余地も少ないと思われますが、もし緊急の対応を求めるものであれば、それに実際に対応した場合には、法定時間外労働として割増賃金の対象になります。ということは、時間外に電話を受けることを強いられる場合には、これは時間外労働である、ということになります。

誹謗中傷、個人攻撃のメールには我慢をしないこと

業務時間外でも、業務に関する電話やメールを平気でするような、状況をわきまえない非常識な上司も困りものですが、パワハラとの関連で言えば、誹謗中傷や個人攻撃の内容を執拗にメールしてくるようなケースでしょう。これは、時間外のプライベートの時間の侵害だけでなく、業務とは無関係の個人攻撃という卑劣な言動そのものが問題です。我慢をする必要は全くありません。というよりも、我慢をしてはいけないケースでしょう。

メールは感情を暴走させる

顔が見えないコミュニケーションツールであるメールは、一方通行のツールでもあることから、独りよがりな文面になること傾向があり、特に感情が高ぶっているときなど、とても面と向かって言えないような攻撃的な内容を執拗に繰り返しているケースが、トラブルのご相談として頂くことがあります。

感情的なメールの内容は、そのまま問題にする

上司は相当頭に血がのぼっていたと感じるものですが、それを果たしてメールで送るべきものなのか、そうした冷静な判断すらできなくなっている状況だったのでしょう。それに対して、反論のメールを送るなどは、あまり賢明とは思えません。冷静さを欠いたメールの内容は、上司本人の感情そのものであって、議論の余地はありません。理屈が無いからです。ケースバイケースですが、むしろこうした問題の多いメールを公然と問題とすることで、解決を図ることを考えるベきでしょう。

メールで感情的な議論をしないこと

特にメールは、文字だけの情報でもあり、とても誤解を生みやすい媒体です。メールやり取りだけでコミュニケーションをとることで、誤解が誤解を生み、感情的な対立を深刻化させる恐れがあります。こうなってしまった段階では、メールでは、予定の確認や単純な事実関係の確認程度にとどめ、それ以上のやり取りは直接会って話すことが肝要でしょう。

感情的なメールに対しては、冷静に終止符を打つ

もし相手から、メールで返答するように求められたとしても、直接会って話す必要があることを、しっかりと伝えることです。一度会って話せば、数十分程度で済む問題であるにも関わらず、断片的かつ一方的なやり取りに終始するメールだけに頼っていたのでは、特にトラブルに直面している状況では、あなたの気持ちを伝えることも、相手の本心を読み取ることも難しいと思われますし、むしろ感情的な誤解から修復が困難な状況にまで問題が深刻化する可能性すらあります。どうしてもメールに拠らざるを得ない場合には、客観的な事実関係の確認程度にとどめ、主観的、感情的な内容は避けるべきでしょう。

確信犯的な嫌がらせへの対応は、状況が全く異なる

ここまでは、嫌がらせメール、電話の発信者と、話し合いによって問題解決が図ることができる可能性がある場合で、そのプロセスを進ませるときの留意点です。嫌がらせの行為者が確信犯的に行っている場合には、話し合いによる解決の余地などはありませんから、如何に平穏に納めるかという段階ではなく、この行為者をどう追い詰めるか、と考えなければならない状況であることを見極めなければならない段階である、ということになります。

嫌がらせの事実関係を裏付ける資料を収集する

ですから、もし、メールを使って、あなたに対する叱責メールをあえてccで職場の全員に送るなどする行為は、あなたに対する叱責をみせしめにするようなものですから、強く抗議すべきです。これはもう確信犯的な嫌がらせですから、話し合いによって穏便に、などと言う段階ではないでしょう。

【参考コラム】叱責の問題

問題のあるメールは、メールそのものを問題にすること

です。しかし、こうした問題のあるメールを、例えばその上司の上司、あるいは人事等に問題として解決を求めたとしても、「だから?」程度の反応しか返ってこないことがあります。その原因は、事実関係を理解してくれていないか、事実関係を理解したとしても問題として認識していないだけなのか、あるいは、そもそも問題として取り上げる意思を持ち合わせていないのか、のいずれかです。そのいずれに当たるのかを見極めること、次にその状況に応じた対応を考えることです。

メールは、一方的な意思伝達ツールと考えるべき

つまり、メールは問題解決のためのコミュニケーションを図るツールではない、ということです。メールの大きな特徴は、文字媒体であることから、その記録が全て残る点にあります。そして、一方的な意思伝達のツールである、ということです。こうした特徴は、書面による使用者への申し入れに近いものですが、書面で提示する場合と比較して、はるかに気軽な媒体です。

メールは解決行動の事実が残ることを意識した使い方が必要

そうした特徴をとらえれば、もし上司などから嫌がらせのメールなどが送信されてきた場合には、これに対して、こうした嫌がらせを止めて欲しいという返信をすることが、その第一段階としては重要になりますが、ここで考えなければならないことは、その返信メールによって問題解決を図る、という意味以上に、上司からの嫌がらせのメールに対して、その内容の違法性を指摘しながら、そうした表現は止めて欲しい、そうしたメールは止めて欲しい、とはっきりと意思表示をすること自体に大きな意味があることです。つまり、メールでのやり取りは、全て文字として残ることから、それ自体が問題を指摘するエビデンスになること、この点が極めて重要であるということです。

感情的な上司の返信は、決定的な裏付け資料になる

例えば上記のような上司への、嫌がらせを止めて欲しいと求めるメールに対して、

「俺が書いたメールの内容のどこがパワハラなんだ?お前はバカか?そんなくだらんことばかり言っているから、お前の評価は最低のままなんだ」

などと返信が来れば、これは全てやり取りの記録が残るエビデンスになるため、このメールのやり取り自体を根拠として、法的解決の俎上にのせることができるわけです。メールは一方的な文字媒体であるという特徴を逆手に取り、逆上する上司の感情的なメールを誘発させて、パワハラの決定的な証拠を積み上げることができます。

嫌がらせの電話に対しては…

メールと異なり、やり取りが記録として残らない嫌がらせの電話については、記録として残すようにすればいいのです。つまり録音をしてしまえばいい、ということです。そして、その相手のメールアドレスが分かる場合には、〇月〇日に受けた電話の内容は、〇△とか〇△と言った嫌がらせであり、今後はこうした電話はしないで欲しい、とその相手にメールで送るのも一つの方法です。つまり、電話という形に残らないステージから、記録にそのまま残ってしまうメールというステージに相手を引きずり出す、ということです。

その後の対応は、上記のメールでのやり取りと同様、その内容すべてが記録に残るエビデンスになりますから、そのまま問題解決を図る際の事実関係の根拠になります。

【参考コラム】問題解決のための行動に一歩踏みだす前にお読みいただきたいコラム~解決行動を起こす前に考えるべきこと

対応方法はまさにケースバイケースですので、具体的なケースについては、ご相談メールをお送り下さい(「パワハラ相談窓口」のページへのリンク)。あなたの状況への対応方法などについて、簡単にコメントして返信します。

Posted by kappa