就業時間外であろうとお構いなしに電話をかけてきたり、メールを送ってくる上司がいたりします。もっともメールに関しては、今すぐ対応しろなどといった内容でなければ、問題となる余地も少ないと思われますが、もし緊急の対応を求めるものであれば、それに実際に対応した場合には、法定時間外労働として割増賃金の対象になります。
ということは、時間外に電話を受けることを強いられる場合には、これは時間外労働である、ということになります。
業務時間外でも、業務に関する電話やメールを平気でするような、状況をわきまえない非常識な上司も困りものですが、パワハラとの関連で言えば、誹謗中傷や個人攻撃の内容を執拗にメールしてくるようなケースでしょう。
これは、時間外のプライベートの時間の侵害だけでなく、業務とは無関係の個人攻撃という卑劣な言動そのものが問題です。我慢をする必要は全くありません。というよりも、我慢をしてはいけないケースでしょう。
メールのやり取りで問題を解決しようとしないこと
特にメールは、文字だけの情報でもあり、とても誤解を生みやすい媒体です。メールやり取りだけでコミュニケーションをとることで、誤解が誤解を生み、感情的な対立を深刻化させる恐れがあります。こうなってしまった段階では、メールでは、予定の確認や単純な事実関係の確認程度にとどめ、それ以上のやり取りは直接会って話すことが肝要でしょう。
もし相手から、メールで返答するように求められたとしても、直接会って話す必要があることを、しっかりと伝えることです。一度会って話せば、数十分程度で済む問題であるにも関わらず、断片的かつ一方的なやり取りに終始するメールだけに頼っていたのでは、特にトラブルに直面している状況では、あなたの気持ちを伝えることも、相手の本心を読み取ることも難しいと思われますし、むしろ感情的な誤解から修復が困難な状況にまで問題が深刻化する可能性すらあります。
どうしてもメールに拠らざるを得ない場合には、客観的な事実関係の確認程度にとどめ、主観的、感情的な内容は避けるべきでしょう。
また、メールを使って、あなたに対する叱責メールをあえてccで職場の全員に送るなどする行為は、あなたに対する叱責をみせしめにするようなものですから、強く抗議すべきです。
メールは感情を暴走させる
顔が見えないコミュニケーションツールであるメールは、一方通行のツールでもあることから、独りよがりな文面になること傾向があり、特に感情が高ぶっているときなど、とても面と向かって言えないような攻撃的な内容を執拗に繰り返しているケースが、トラブルのご相談として頂くことがあります。
上司は相当頭に血がのぼっていたと感じるものですが、それを果たしてメールで送るべきものなのか、そうした冷静な判断すらできなくなっている状況だったのでしょう。それに対して、反論のメールを送るなどは、あまり賢明とは思えません。冷静さを欠いたメールの内容は、上司本人の感情そのものであって、議論の余地はありません。理屈が無いからです。ケースバイケースですが、むしろこうした問題の多いメールを公然と問題とすることで、解決を図ることを考えるベきでしょう。
問題のあるメールは、メールそのものを問題にすること
です。しかし、こうした問題のあるメールを、例えばその上司の上司、あるいは人事等に問題として解決を求めたとしても、「だから?」程度の反応しか返ってこないことがあります。その原因は、事実関係を理解してくれていないか、事実関係を理解したとしても問題として認識していないだけなのか、あるいは、そもそも問題として取り上げる意思を持ち合わせていないのか、のいずれかです。そのいずれに当たるのかを見極めること、次にその状況に応じた対応を考えることです。
対応方法はまさにケースバイケースですので、具体的なケースについては、ご相談メールをお送り下さい。あなたの状況への対応方法などについて、簡単にコメントして返信します。