懲戒処分を告げられた

懲戒処分には、極めて厳格な要件が必要です。つまり、会社があなたに懲戒処分を課す場合には、とても大きなハードルがあるということです。そのため通常は、懲戒処分、特に重い処分は、会社は慎重に行います。何の前触れもなく、いきなり懲戒処分、ということはありえません。もし、本当にいきなり懲戒処分がなされたとすれば、法的には、処分無効の判断が下されます。

懲戒処分は簡単にできるものではない

ですから、上司が勝手に部下を懲戒処分することなどはできません。

中には、すぐに懲戒処分だと口にする管理職も見受けられるようですが、それは警告に過ぎません。こうした懲戒処分をほのめかす言動が度を越しているようであれば、むしろ其の管理職が大いに問題があります。

もっともあなたに懲戒処分を告げられるに足る言動があったのであれば、それについては、真摯に耳を傾ける必要があることは、言うまでもありません。

ただ、些細なことについてまで懲戒処分ができるはずがありません。せいぜい注意程度のものです。きちんとした事実関係の確認もなく、始末書を求められたり、反省を強要されるとすれば、それは業務上の範囲を超えているかもしれません。特に、特定の文書にサインを求められたり、あるいはその内容が、次に同様のミスがあった場合には解雇されても異議を唱えない、といったものなどのあからさまな意図を持った文書である場合には、むしろその文書自体の問題を指摘するべきでしょう。

それは本当に懲戒処分なのか

このように、安易に懲戒処分を行うことは通常考えられませんので、もし上司などから懲戒処分であるとか、通告であるとか、あるいは懲戒処分をほのめかすような曖昧な指示がなされたり、書面が交付されたりした場合には、それが就業規則の規定する懲戒処分なのかどうかを、明確するする必要があります。

本来の懲戒処分はできないけれど、何らかの警告をあなたに与えたかっただけなのかもしれませんし、あるいは上司の感情的な言動にすぎない可能性もあります。そうした状況をきちんと把握しておくことが大切で、もし本当に懲戒処分であれば、何らかの法的な対応をしておかなければ、将来にわたって不利な状況に追い込まれる可能性があるからです。

懲戒事由に該当するか

本当に懲戒処分であると会社側から返答があった場合には、まず、就業規則の懲戒規程に規定された懲戒事由のうちのどれに該当するのか、確認をします。もし処分の対象となった事実関係が、懲戒事由の中に規定がない場合には、会社はそもそも懲戒処分をすることができません。

抜き打ち的な懲戒処分は無効

懲戒処分が発せられる前に、当然事実関係の確認をしているはずです。そうした事実関係についての聞き取りが、懲戒処分の対象者であるあなたからなされずに処分されたとすれば、その懲戒処分は無効となります。すぐに懲戒処分が無効であるなどとして、処分の撤回を会社に求めてください。

処分の程度は相当か?

就業規則の懲戒規程に懲戒事由として明記してある事実関係について、懲戒対象者本人に対する聞き取りや弁明の機会も与えられているとしても、いかなる懲戒処分も甘んじて受けなければならない訳ではありません。業務上の些細なミスに対して、懲戒解雇などはありえません。

懲戒規程には、処分事由に対する処分内容が規定されてることがありますので、どのような事由に対しては、どのような処分があり得るのか、確認しておくといいでしょう。ある処分に対して、譴責、減給、などと規定されていれば、出勤停止や解雇などのさらに重い処分はできません。

身に覚えのある問題に対して、何らかの処分がなされたときには、致し方ないと思ってしまいがちですが、それがあまりに理不尽なものであったり、酷にすぎる処分であると感じる場合には、冷静に状況を確認することも大切ではないかと思います。なお、パワハラの加害者として何らかの処分がされた場合については、「パワハラの加害者にされた」のページもご参照ください。