シフトを減らされた

シフトによって就労するような、例えばパート、アルバイトにとっては、シフトにどのくらい入れるかは、賃金に直結する重大な問題です。シフトを減らされることは賃金減額に繋がるものです。例えば、これまで週に4日入っていたのに、いきなり週2日とか週1日に減らされたような場合で、合理的が理由が無いときには、賃金減額を意図した恣意的なものである可能性があります。まずは事実関係を客観的に把握することが重要で、それが会社に対する効果的な解決行動を導き出します。

なお、正社員が出勤を制限される場合は、出勤停止処分であって、就業規則上などの根拠がなければなりませんし、賃金減額もできません。

雇用条件通知書でシフトの日数が規定されている場合

採用時に交付される雇用条件通知書に、シフトに入れる日数が規定されている場合、例えば、週○日、などと記載されている場合には、その○日よりも著しく少ないシフトであれば、その雇用条件通知書の記載内容との違いについて、この問題に関する責任者に、説明を求めることが肝要です。

不当な意図が無いか

しかし実際には、雇用条件通知書などでシフトの日数が規定されていることはまれでしょう。シフトの日数が規定されている場合とは、例えば、週に○日以上シフトに入ること、とか、月に○日以上シフトに入ること、などの条件が規定されている場合です。たいていの労働条件には、一応の目安となるシフト編成日数が記載されている、と判断されるものでしょう。こうした場合に重要になるのは、採用時から、平均的に、どのていどの日数にシフトに入っていたか、という事実です。たとえば、採用時からこれまでの数年間、コンスタントに週4日シフトに入っていたのに、今月からいきなり週2日になった、とか、夜勤の日数が半減した、といった事実があれば、それについてきちんとした説明を求めることが肝要でしょう。

そこで、たとえば、スタッフ全体で就労日数が減っている具体的な事実があったり、特定業務についての労働時間が削減されているなどの場合には、経営上の何らかの理由があるはずで、きちんとした説明をもとめることが必要でしょう。一方で、特定のスタッフのみがシフトを減らされているような場合など、具体的な説明が無く、抽象的な説明に終始している場合には、会社にとって不都合な理由がある可能性が推測できます。つまり、退職勧奨を意図した仕事外しの可能性があるということです。

とくに、期間契約で雇用期間が5年を超える場合には、平成30年4月1日以降、無期契約への転換を求める権利が発生するため、意図的にシフトを減らし、無期転換権発生前に退職させようとしている可能性もあります。

すでに決まっているシフトの勤務を外された場合

シフトで勤務するような就労形態 の場合、そのシフトは通常前月中に決まっているものですが、そのいったん決まったシフトを、あとからその日は来なくていい、などと言われるなど、シフトで 決まった日数が勤務できなかった場合には、会社都合による休業として、会社は少なくとも賃金の6割以上の休業手当を支払う 必要があります。ここで少なくとも、と書いたのは、状況によっては100%請求が可能な場合があるからです。

店長などの個人的な感情が原因の場合は社内的な解決も可能

飲食関係のチェーン店などの店長やマネジャーなどの責任者が、自分の気に入らないスタッフに対して嫌がらせの意図をもってシフト編成をしている場合には、本部人事を味方につけることで、比較的容易に解決ができる事例といえるでしょう。ただ中小チェーン本部などの場合で、こうした問題に全く頓着しないようなケースや、そもそもそうした指示を率先して各店舗に指示しているようなケースでは、社内的な解決は困難といわざるを得ません。

能力不足を理由に告げられた場合

例えば、業務のミスが多いとか、作業が遅いなどの理由でシフトを減らしたなどと言われた場合、自分に原因があるのだから仕方がない、と思いがちですが、それまで会社はきちんと教育指導をしたでしょうか。注意指導などが何もなく、いきなり能力が無い、などと突然言われても思い当たるものがありません。そうした場合には、能力不足の具体的な内容について説明を求めることです。

なお、能力不足が理由の懲戒処分はあり得ません。仕事ができないことが罰せられる理由にはならないということです。能力不足の場合には、労働債務の不履行として、契約の解除、つまり解雇や雇い止め、という対応になるのです。能力不足が解雇や雇い止めを相当する程度の合理的な理由となる余地があれば、ラストチャンスとして、シフトを減らして一定期間様子を見る、という対応も認められるでしょう。この場合のポイントは、「能力不足が解雇や雇い止めを相当する程度の合理的な理由となる」かどうか、という点です。つまり、解雇されても致し方ないほどの能力不足か、ということです。これは相当ハードルが高いと考えるべきで、再三にわたる注意指導にもかかわらず改善されないケースなので、もし注意指導などが全くないような場合に、いきなり「解雇」は認められないでしょう。

一方、能力不足を補うために、一定期間をOJTを目的に勤務してもらうといった場合であれば、これは指導教育の一環として、その後の改善状況によってはシフトを以前の状態に戻すという前提での対応も認められる余地もあろうかと思います。

勤務不良を理由にする処分の場合

例えば、遅刻欠席が懲戒処分規定に抵触するような場合には、処分規定に従ってシフトを減らすという対応も考えられます。この場合には、その事由が処分規程に規定されている必要があります。しかしシフトの減少が果たして懲戒処分なのか、人事上の措置なのか、はっきりしないものです。通常懲戒処分は厳格に判断されるため、軽々に発せられることはありません。ということは、たいていの場合は、人事上の措置ということになります。

もっとも人事上の措置だからと言って、いかなるシフトの操作も会社の自由になるわけではありません。いずれにしてもきちんとした理由が無ければならないことに変わりはありません。

理由が曖昧なことも多い

しかし実際には、シフトが減らされた理由がはっきりとしていることは少ないかもしれません。理由を聞いても、シフトを作ったのは○○さんだからわからない、とか、あるいはとぼけられることもあります。そうした場合には、理由なくシフトを減らすことは契約違反であることを明言したり、シフトが減らされることによる不利益な状況を具体的に指摘して、そうした対応は止めるよう強く求めることが大切でしょう。

もちろんこうした要求によって事態が改善されればいいのですが、こうした要求をすることは、事態の改善を図る以上に、あなたの意思表示を明確するという大きな意味があります。つまり解決行動の第一歩になる、ということであり、もし改善が図れなかった場合には、次の行動を起こすことを暗に示すものです。

対応方法はまさにケースバイケースですので、具体的なケースについては、「パワハラ相談窓口」のページから相談メールをお送り下さい。あなたの状況への対応方法などについて、簡単にコメントして返信します。