解決手段をどう選択するか

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法的手段に訴える前に

最終的には法的手段に訴えなければならないこともあるでしょう。現在は、法的な手段といっても、様々な解決手続があります。

あなたはこの状況をどうしたいのですか?

様々な試行錯誤の中から、やはり具体的な手段をとらなければ・・・と考えた時には、あなたが今の状況をどのように変えたいのか、どうしたいのか、という明 確な目的が必要になってきます。その上で、具体的な手段を考えることになります。でも、なかなか頭の中でまとまらなかったりします。とりあえず、メモのよ うな形で文章化してみてください。少しずつ整理していきましょう。

事態が進展して、ホッとしている自分を想像してみる

状況がどのように変わっていけば、あなたはホッとできるでしょうか。楽になれるでしょうか。楽しい気分になれるでしょうか。そんな気分になっている自分 を、ちょっと想像してみると、何をどうしたいのかが、なんとなく見えてきます。それが問題解決の方向性です。そのために何をすれば良いのか、それが具体的 な手段を考えることになります。

「問題を解決する」という視点を忘れないで

ややもすると、何かアクションを起こすことが目的になっていたりします。それは、問題を解決するためのアクションでしょうか。それによって、あなたの目的 が満足できる方向で前進できるでしょうか。具体的な行動を考えた時に、忘れてはならない視点です。「手段」が独り歩きを始めると、あなたの意思とは関係な く、事態が進んでしまうことになりかねません。

退職を決断する前に

どうしても逃げたくなります。楽になりたいから、この状況から解放されたいから、やはり辞めたほうがいいか・・・と考えたくなります。おそらく真剣に現実 のものとして考えている方がほとんどでしょう。でもちょっと待ってください。「問題を解決する」ために、退職はベストな選択でしょうか。退職して初めてで きる対策もあるでしょう、でも、退職したらできない対策もあります。もう一度立ち止まって、問題解決のためのアクションを見直して下さい。それからでも遅 くはありません。

状況を客観的に把握することの重要性

何らかの行動を起こす前に、まずは冷静になって、状況を的確に把握することが大切です。そのためには、具体的に何をすればいいのでしょうか、またどのように考えればいいのでしょうか。

状況を詳細に記録してみる

まず、具体的なパワハラ行為の事実関係について、詳細に記録して見てください。これはメモ程度でも良いでしょう。時系列で記録する方法が、まとめやすいで しょう。その時に注意しなければならないことは、「具体的な事実関係だけを記録する」ということです。例えば、あなたが思ったことや、気持ちの変化、推測 などは、明確に分けておく必要があります。こうしておかないと、何が事実なのか、わからなくなってしまうからです。また、このように記録をすることで、事 実関係がよりはっきりと把握できます。また、何が問題点であるのか、見えてくるでしょう。しかし、こうした過去のパワハラ行為の記録をするのは、とても辛 いことですし、大変な苦痛を伴う作業かもしれません。無理せず、少しずつまとめていきましょう。

パワハラの実態を見極める

事実関係の記録をすることで、状況を具体的に把握できたら、その事実を整理していきます。それは、「いつ、誰が、どこで、何をしたのか」、改めて見直します。そして、パワハラ行為の原因を見極める必要があります。

個人の感情的なものか、会社組織による意図的なものか・・・

パワハラ行為の原因は、このいずれかを見極める必要があります。個人の感情的なパワハラの場合、比較的容易に解決できる可能性がありますが、そのカギを 握っているのは、会社のパワハラに対する意識の高さです。特に社長などの経営者による、個人の感情的なパワハラの場合、社内的な解決は不可能でしょう。ま た、当初のきっかけは個人的な感情によるものであったのに、会社のその事実を黙認し、パワハラ行為が継続し、あるいはエスカレートするようケースでは、会 社組織による意図的なものと考えなければならないでしょう。

会社の「意図」とは・・・

個人の感情的なパワハラ行為の場合、パワハラ行為そのものが目的であったります。つまり、「嫌いだから、いじめてやれ!」という幼稚なものです。しかし、 会社が組織的にパワハラ行為に及んでいる場合には、退職勧奨の強要といった意図が、必ずあるものです。現在、会社による組織的なパワハラ行為は、かなり少 ないように感じますが、一部の個人によるパワハラ行為を黙認してしまう会社は、まだまだ多いようです。これでは、会社が責任を果たしたことにはなりませ ん。パワハラ行為の黙認は、会社が社員に対して負っている「職場環境配慮義務」を果たしていないことになる、ということを改めて認識しておく必要がありま す。つまり、損害賠償請求の対象となるということです。

そもそも「法的なトラブル」か、「条件交渉」か?

いずれにしても話し合いによって平穏に社内的な解決を図ることが肝要であることに違いないのですが、それが法的な問題か、つまり違法なものであったり、利益侵害などの民事上の違法性が問われるものであれば、法的な根拠をもって解決の話し合いに臨むことで、より有利な結論を導くことできる可能性が高くなります。しかし一方で、法的な問題の範疇に無いもの、たとえば、賃金の引き上げとか、シフトを増やしてほしい、といった労働条件の改善を求めるものや、はたまた上司や先輩同僚の態度が気になるとか、いつも私語ばかりで仕事をしない、業務とは関係のないウェブサイトばかり見ている、などの他人の問題行動の改善を求める類のものは、確かに「会社」の不利益であるとは解釈できるとしても、第三者である一労働者にとっての利益侵害ではないので、あくまでも話し合いによってしか解決できない問題であるという大きな違いがあります。そのため、法的な問題であるか、そうでない問題かによって、解決プロセスが全く異なることとなり、効果的なアプローチも全く違ったものとなってきます。ここを見誤ると、解決できる問題も解決できなくなる、という結果になりかねないのです。

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