叱責の問題

叱責はパワハラではない。が…

もちろん叱責が即パワハラとなるわけではありません。業務遂行上叱責は当然必要なものです。誰かがミスをしても、問題を起こしても、いつもニコニコと笑っているだけの上司では困るわけです。仕事には適度な緊張感が必要ですし、また従業員には職務専念義務があります。私語が過ぎれば当然に注意や叱責を受けることになります。

業務上の必要性があるか

このように業務上必要な叱責であっても、問題はその叱責が本当の業務上必要な範囲に収まっているか、という視点から、叱責そのものの問題を考えることができます。

典型的には、些細なミス、日常的に起こり得るミスについて、執拗に叱責を繰り返したり、職場のなかで、見せしめ的に長時間にわたって怒鳴り続けるなどはもちろん、言葉や表現は穏やかでも、陰湿にグチグチと嫌味をいつまでも言われるようなものも当然問題でしょう。

特定の社員だけに対する叱責になっていないか

公平性の問題です。職場の仕事は業務上定められたものであるにもかかわらず、上長の個人的な感情で、手心を加えられてしまうことが多々あります。例えば、気に入ったスタッフには猫なで声で、気に入らないスタッフにはヒステリックに、といったケースです。

ミスに対する叱責は甘んじていけなければならないという気持ちの一方で、同じミスをしているのに、一方はお咎めなし、一方には、執拗な叱責説教に加えて始末書まで書かされる、といった状況はとても納得のできないものです。またこうしたケースは、さらに上の上長などに相談し、事実関係をきちんと理解してもらうことが難しいことが考えられます。如何に偏った対応がなされているか、説得力をもって説明できるよう、問題の焦点を絞ることも大切でしょう。

問題とするのは「叱責の仕方」

ここで考えなければならないのは、叱責の問題を解決するということは、問題のある「叱責の仕方」を変えてもらうこと、であることを認識する必要があります。つまり、業務上の必要性を大きく超えて、不愉快な気持ちにさせるような叱責を止めてほしい、求めることが問題解決の基本的なアクションということになります。

問題を伝えるには工夫が必要

叱責そのものが問題ではないことから、叱責されたことを問題とする場合には、それが業務上の必要の範囲を超えたものであることや、その叱責の仕方、方法が問題であることを、明確に伝える必要があります。怒られたことに対する不満を言っているだけ、と相談相手に伝わらないよう、工夫が必要でしょう。

もう一つ、相談時に大切なことは、抽象的な表現を使わないことです。不当な発言は止めてほしい、とか、不要な叱責は止めてほしい、というだけで、いったい何のことを指摘しているのか具体的に明らかでないような要求に対しては、そうした叱責はしていない、と返答されれば、それ以上議論の余地はなくなります。

いつ、どのような時に、誰が、何といったのか、それがどのくらい繰り返されたのか、とにかく具体的に指摘をして、それによって私はひどく不愉快な気持ちになった、今後は、こうした叱責の仕方は止めてほしい、と求めることです。具体的なケースへの対応については「パワハラ相談窓口」のページからメールをお送り下さい。


相談を受けた場合には…

叱責に関する相談を受けた場合には、まずどのような場面で、どのような叱責を受けたのか、どのような言動があったのか、事実関係を明確にさせることは、どのような相談であっても同様です。ただ叱責の問題に関しては、叱責そのものが即パワハラとは言えない以上、慎重に対応する必要があります。

相談者は問題をうまく伝えられない

叱責に限った問題ではありませんが、とくに問題判断が微妙な叱責に関しては、叱られたことに対して愚痴を言っているだけ、のように聞こえてしまっても無理はないと思います。しかし事実関係の確認によって問題の所在ははっきりとしてくるのではないでしょうか。

相談者は「必ず」何らかの問題を抱えている

話をいくら聞いても愚痴にしか聞こえないこともあろうかと思います。その場合でも、やはりトラブルの当事者間で、何らかの問題があることは確かでしょう。あるいは相談者がメンタル面で支障をきたしている可能性も考えられます。あらゆる方向から相談者の真意を慮ることが問題の解決につながるのではないでしょうか。具体的なケースへの対応にについてはこちらのページからメールをお送り下さい。