上司などから叱責をを受けても、自分に原因があるのだから仕方がない、と考える前に、その叱責が数十分以上に及んだり、同僚が業務をする職場内で執拗に行われる場合、それは本当の業務上必要なものかどうか、疑問なものもあります。
まず、ミスはミスとして、注意を受けたのであれば、それは素直に受け入れなければならないでしょう。そして、次に同じような間違いを犯さないためにはどうすればいいのか、これを考え、実行することがミスの再発防止であり、まさに業務上必要なものでしょう。
しかし、頭に血がのぼった上司は、犯したミスを執拗に攻め立て、ミスの重大さやあるいは能力不足をことさらに強調することに集中します。これではミスの再発防止ではなく、さらなるミスを誘発するようなものです。
もちろん、いくら注意しても、指導をしても、同じミスを繰り返し、なくそうという努力すらしない部下に対しては、強い「叱責」も必要でしょう。また、再三にわたる注意指導にもかかわらず、何ら改善の余地すらないような場合には、解雇も法的に有効と判断される可能性が高くなります。
このように書くと、「私もそうなるのでは・・・」などと不安になるかもしれませんが、「そうなる」方は、おそらくこのような記事には、全く関心を持たないのではないでしょうか。
叱責の問題については、こちらのページで触れていますが、叱責の程度が問題で、叱責そのものが問題となるわけではありません。もっとも私個人的には、注意指導は必要でも、叱責が業務の改善に資するとは思っていません。パワハラの言動が気になる管理職の方に対しては、叱責をするのを止めてみたらどうかと提案したいと思います。しかし部下の問題などを黙認するのではなく、注意指導を適宜行うことは、絶対に必要なことです。叱責をしないだけで、自分自身も周りも、どれほど気分が良いか、感じることができると思います。
さて、本題ですが、上司の怒りのような叱責で、能力不足をののしり、転職退職を促し、解雇をほのめかされ、性格までも否定され、挙句の果てには家族や友人までも侮辱するに至っては、これはパワハラであって、ミスを理由に何を言われても我慢しなければならないなどと思う必要はさらさらないのです。
ミスはミスとして、再発防止に努めるとしても、だからといって上司の感情に任せた言動を我慢することはありません。こうしたときには、その問題の言動のみを指摘して、できればその場で問題であること、そうした言動は止めてほしいことを伝えたいところです。
重複しますが、ミスをしたからといって、いかなる叱責や処分などが認められる訳ではない、ということです。特に上司らに離職に追い込みたいような不当な意図がある場合には、些細なミスでも、執拗に指摘し、叱責し、精神的に追い込んできます。こんなときは、絶対に我慢をすべきではありません。