シフトを減らされた、というご相談が増えていますが、とくに期間契約の方で、その雇用期間が5年を超えるような場合には、来年4月1日から始まる無期転換権の行使を目前に、自主退職をさせようとする意図があるのではないかとも考えられます。
次の契約更新時に更新拒否をすることは、無期転換権の行使を阻害するものとの推定をされる可能性が高いため、なんとか自発的にお引き取り願えないだろうかという会社側の意向がシフトを減らすという、いわば仕事外しをさせているとも言えます。
特にこれまで何ら問題なくフルタイムで勤務してきたのに、最近になっていきなりシフトを減らされた、というような場合、理由を聞いても経営状況が悪いとか、あるいは勤務態度が良くないなど、降ってわいたような理由を告げられ、困惑するようなこともあるようです。このような不自然な理由の説明をせざるを得ないのは、本当の理由が説明できないからで、その真の意図を見極めることも、問題解決には重要でしょう。
もっともシフト勤務は、従業員が希望のシフトを出し、それに対して担当者が調整をして最終的に決定をする比較的柔軟な勤務態様であり、そうした柔軟な勤務のメリットを労使ともに享受しているという側面もあるため、シフトを減らされたことが即問題となるとは言えない事情も問題の解決を困難にしているとも言え、そうした状況を会社が逆に利用しているとも考えられそうです。
上司や店長などによる感情的な嫌がらせであれば、比較的容易に社内的な解決が図れるとしても、会社が意図して人事などがリードするように行われるシフト減らしは、会社と対峙しなければならない局面におかれるため、シビアな対応が想定されます。会社外部の解決制度の活用を積極的に検討すべきではないでしょうか。