上司の命令は絶対ではない…!?

ハードルの高いノルマを課せられ、あるいは日々業務成績や改善に対する執拗な要求に苦痛を感じつつも、何とかしなければならないともがいているうちに、冷静な判断力を失ってしまっている自分に気が付くことがあります。

会社から求められる業務は、従業員であるあなたが履行すべき義務ですが、その業務が業務上必要な範囲を超えて、過重な要求になっている場合、この判断はとても難しいのですが、応じる義務のない場合もあるのです。元も分かり易いのは、業務とは関係のない範囲にその要求が及ぶことです。

業務とは全く関係のないプライバシーの問題に立ち入るものは、明らかに過重な要求であって、決して応じるべきでない場合もあるでしょう。あるいは、業務命令として求められたことが法に触れる場合もあるかもしれません。そうした場合には、はたしてそれをそのまま履行すべきなのか、冷静な対応が求められます。

一方、そうした明らかに業務の範囲外の要求を、はっきりと求められることはなく、暗にそうせざるを得ないような状況に追い込まれることもあるでしょう。かなりグレーですが、こうしたときこそ冷静な判断が求められます。もしあなたがそうした業務の範囲外の要求に応えてしまった場合、それはあなたが自発的にしたものであって、会社はまったくうかがい知らないこと、などと逃げられる可能性だったあります。

もちろんそうした場合でも、あなたがそうせざるを得なかったような状況を、会社が意図的に作り出していたなどの事実があれば、事後的に会社に責任を追及することも可能かもしれませんが、いずれにしても難しい対応を求められます。

業務上の上司の命令は、部下である従業員はそれに応じる義務があります。ただし、それが業務の必要な範囲のものであるという前提があります。疑心暗鬼になりすぎるのは問題ですが、「これはあまりにもおかしい」と感じたときに、ふと振り返ってみることは、自分自身を守るという意味でも、大切なことではないかと思います。