「泣き寝入り」を考える

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「泣き寝入り」とは、自分の意に反して解決を諦めることですが、「会社が何もしてくれない、泣き寝入りするしかない」などとご相談メールにお書きになる方も散見されます。これは個人的な感想ですが、本音は解決を諦めるつもりはないけれど、諦めなければならないほど自分の状況が追い詰められている、というお気持ちを「泣き寝入りするしかない」とお書きになっていると解釈しています。諦めたくはないからこそ、相談メールを送られているのだと思います。

本当は諦めたくないけれど、今の自分には諦めるほかない、という、どちらかと言うと消極的な選択を迫られた、本当は、それが本意ではない、という気持ちに至ったのは、誰に対して、どのような解決行動をお取りになった結果に直面して、そのような気持ちになったのか、まずは振り返る必要があるのではないでしょうか。

あなたご自身で、どこまで解決行動を起こしたのか、その結果がどうであったのか、これを振り返ることは、気持ちの上でもお辛いことかも知れません。しかし問題解決行動のきっかけとなった、現実に起こったトラブルが具体的にどのようなものか、その内容もさることながら、どのような解決行動をとったのかを振り返ることは、「泣き寝入り」という判断について、客観的に見つめる重要な役割を果たします。

なぜこのようなことを申し上げるかと言えば、ご相談メールで「泣き寝入りしかない」とお書きになる方の解決行動がとても気になるからです。これは私の印象ですが、「泣き寝入り」とお書きになる方の解決行動は、大抵の場合、何も行動を起こしていないか、あるいは、同僚や上司などに相談した、という程度で終わっているようです。厳しい言い方になりますが、これでは問題があることを、会社側に認識してもらうことすらできていないのではないでしょうか。

「泣き寝入り」という言葉をお書きになる際に、添えてお書き頂く周辺状況についての内容は、どうせ相談しても解決しない、話を聞いてもらえない会社の雰囲気、みんな忙しそうで相談できない、見て見ぬふりをされているから解決などムリ、などなど、解決行動を起こしていない理由をお書きになっているようにも感じます。

逆に、悩みながらも解決行動を起こしながら、事態の好転が見られない状況で、もがいているご様子の相談メールを書かれる方は、「泣き寝入り」という言葉をお書きにならないのではないでしょうか。常に「次は何をすればいいのか」をお考えになっているからだと思います。そしてそのメール最後には、「泣き寝入りしかない」などとお書きになることはせず、「今後どうすればいいのかアドバイスが欲しい」と締めくくられます。

仮に問題解決を諦めるという選択をするとしても、できる限りの解決行動を起こした上での判断なのか、それとも、解決行動を起こさないまま、ご自身の頭の中で悩んだうえでの判断なのか、ご自身の気持ちは全く異なるでしょう。前者については、積極的に受け入れる訳ではないけれど、納得の上での妥協でしょう。一方で、後者については、これが「泣き寝入り」と表現してしまうものではないでしょうか。

あなたが、もし「泣き寝入り」するしかない、などとお考えになっているとすれば、それは、もしかすると、あなたは何も解決行動を起こしていないのではないでしょうか。あるいは同僚や上司に相談しただけで、次の行動を起こされていないのではないでしょうか。もしあなたに気持ちの上での余裕が多少なりともおありであれば、あと一歩、踏み込んでみる価値はありそうです。そのあと一歩の解決行動で、今後の展開が全く変わってくることもあると思うのです。

もし万が一、あなたを雇用する会社が、意図的にあなたに対して不利益な取り扱いをしている場合、これはとても残念なことですが、あなたに「泣き寝入り」をしてもらうことは、会社にとってまさに思うところであるはずです。ここで「泣き寝入り」をするかどうかの選択肢は、繰り返しになりますが、あなたご自身が選ぶものなのです。

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