「逆パワハラ」という言葉の心証が良くない理由

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時折見受ける「逆」パワハラ、という言葉ですが、個人的にはどうもあまり心証が良くありません。この言葉は、おそらくパワハラ加害者とされた方が、あまりに理不尽なパワハラ申告であり、自分を貶める要素が多分にあると感じたことから、これはむしろ自分に対するハラスメントではないか、という気持ちを込めて「逆」パワハラ、と表現していると感じます。

しかしこれがなぜ心証が良くないか、というと、それは、

「お前の言動はパワハラだ」
「何だと?そういう難癖をつけることこそパワハラだ!」
「フン!盗人猛々しいとは、まさにこのことだな」
「なんだと、その言い方こそパワハラだ!」

などと言うやり取りがあるとは思えませんが、おそらくはそうした心情の交錯があるように見えてならないからです。パワハラだ、といわれて、お前の発言こそパワハラだ、といっているのですから、まるで子供のケンカです。

「逆」パワハラという表現のもう一つ分が悪いのは、おそらくパワハラを申告したのは、自分の部下でしょう。つまり部下を相手に子供のケンカをしているのは、傍から見ても、どうしても自分の方が分が悪い。部下の言動に、多少なりとも上司は責任があるところ、その部下の言動を上司である自分が非難している訳です。これでは自分の管理教育が不十分であることを自ら明言しているようにも見えます。

これだけのことなのですが、「逆」パワハラという、余計な感情を周辺に植え付ける要素を持つこの言葉は、あまりお使いにならない方が賢明かと思います。

では、何とも理不尽な部下からのハラスメント申告に対しても、じっと黙って沙汰を待つだけでは、ハラスメント申告にモラルハザードを引き起こすことになりかねないでしょう。何かくぎを刺しておくこと程度は必要でしょう。

リベンジハラスメントか、パワハラアレルギーか

部下からの理不尽なハラスメント申告には、必ず理由があるはずです。それは、おそらくは復讐を目的にしたリベンジハラスメントか、あるいは上司の言動に過敏に反応するパワハラアレルギーか、そのいずれかではないでしょうか。もちろん慰謝料請求などと言った金銭目的の申告も考えられますが、金銭目的の場合には、社内的な解決を図るとは通常考えられません。いきなり問題の外部化でしょう。

部下のハラスメント申告の真意はどこにあるのか、復讐なのか、単なる過敏症なのか、この点を見極めることで、指摘されたハラスメントの事実関係の存否確認など、重箱の隅をつつきあうことに汲々としている状況に終止符を打つことができるのではないでしょうか。

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