なぜ問題は解決しないのか?その原因は3つ
「相談しても何も解決しません」
頂くご相談の中でも、頻繁にお聞きするものです。その原因は、おそらく次の3つの内のいずれかではないでしょうか。
- 問題の事実関係を理解してもらえていない
- 問題の事実は理解していても、その事実を問題として考えてもらえていない
- そもそも問題を解決する意思がない
もう一つ考えなければならないのは、この「相談」を誰にしたのか、というものです。
例えば、上司からの暴言に悩まされていたあなたが、その上司に対して「止めて欲しい」と求めた場合、すんなり解決すれば、この上司は問題に気が付いたことになりますが、逆に「誰に向かってモノを言ってるんだ、ふざけるな!」などと返されたとすれば、これは上記の3.ということになります。
あるいは、同僚に対してその上司の暴言の悩みを話したら、すごく共感してくれた、でも何も解決しない、ということであれば、これはそもそも同僚にはその問題を解決する立場にあるのか、という問題と、悩みを聞いてもらうことが、問題の解決とイコールではない、ということに気が付く必要があります。
また、上記の暴言について、別の部署の上司や、問題の上司のその上の上司に相談した、という場合ですが、その上司から「確かに適当ではない発言かも知れないければ、それは君のためを思っていったのかもしれないよ、そんなにひどい人じゃないんだよ」などと、問題の上司を擁護するような返答しか返ってこなかった場合、解決行動をとってもらえない原因が1.である場合には、具体的な事実関係の理解してもらう必要がありますし、原因が2.であれば、何が問題なのかを改めて説明する必要があることになります。もし3.であれば、この相手にこれ以上解決を求めることは時間の無駄、ということになります。
大抵の方は、一旦こうした解決しない状況に直面すると、相談してもムダ、などと考え、問題の解決を諦めてしまいます。ですが、解決しない原因が、1.や2.であれば、まだ解決の可能性が残っていることになります。
もし3.であったとしても、それは会社としての判断なのか、冷静に考える必要があります。
例えば、直属の上司から、感情的に「解雇だ」と言われたとしても。これはおそらくその上司が感情に任せて、あるいはあなたの行動に制約を加える脅しとして「解雇だ」と言ったと考える方が自然でしょう。そもそもあなたの上司にそのような人事権限があるのか、そして、何の脈絡もなく「解雇」を告げられるという状況があれば、これは会社の人事判断ではなく、上司が勝手に言っているもの、ということに気が付くはずです。あなたは「解雇」と言われたことに悩む必要も無ければ、辞める必要など全くないのです。逆に、安易に「解雇」などと発言した上司の言動を問題にする必要があります。
相談した相手は誰なのか、その相手が解決に向けた行動をとってくれない原因は、1.から3.のどれか、を見極めることで、次に何をすべきかを考えることができます。
たった一度相談をしただけで問題が解決したとすれば、これは相当ラッキーです。そのように考える方が健全です。解決しない原因を考え、次の行動を検討し、実行します。その結果どのような返答が返ってくるのか、問題解決のプロセスは、この繰り返しです。
相談しても解決しない状況に直面したときは、その相談方法では問題は解決しない、相談の仕方を変える必要がある、と考えるべきではないでしょうか。相談しても解決しない、と考えてしまえば、もう問題は解決することはないのです。
具体的なケースへの対応については、ご相談メールをお送り下さい(「パワハラ相談窓口」のページへのリンク)。