上司の指示に不満がある場合の考え方

2025年6月2日opinion&topics,解決行動のヒント

上司の指示の「何が」が問題なのか?

上司からの業務上の指示に、どうしても府に落ちないことがあるとか、納得ができない気持ちになるときに、それでも上司の指示として、割り切って応じることができないときは、その指示がなんとなく問題であるという気持ちを引きずってしまわずに、何か問題なのか、指示内容を振り返って、そのどの部分が腑に落ちないのか、納得ができないのか、具体的に考えてみることが重要ではないでしょうか。

指示された作業の進め方は明らかに非効率的、という場合

指示された業務手順がいつもと異なっているとか、指示された手順で業務を行った場合に作業プロセスで不都合が生じることが明らかであるなど、上司が指示する業務の進め方が、部下であるあなたが適当であると考えるそれと異なる場合に、その上司に対して、その旨をお告げになるべきか、逡巡することになるでしょうか。

意を決して自分の意見を告げてみたら…

意を決して上司に対して、あなたの意見をお告げになったとして、その上司がその意見に耳を傾け、その意見に応じないとしても、真摯に検討をしてくれるのであれば、あなたとしても納得ができるかもしれません。

問答無用の姿勢で指示に従うことを求めらたら…

ですが、あなたがあえて自分の考えを上司に述べたとしても、その考えを一顧だにせず、上司が当初の指示を変えなかった、上司の指示は絶対であるという強い姿勢であなたに指示通りの業務遂行を強く求めたとすれば、あなたの気持ちに強い反発が残るでしょう。

法的に問題とすることは難しい

ですが、これは法的な問題となる余地はありません。なぜならば、業務の指示に関しては、上司がその権限と責任という義務を負うからです。誤解を恐れずに言えば、部下の意見を受けれなければならない義務は上司にはない、ということです。

ですから、部下の意見を上司が受け入れなかったことを不当であるとして、法的な解決制度の俎上に乗せたとしても、そもそも業務命令権限は上司にあるのですから、部下の意見に耳を傾ける、無視をしない、という義務は多少なりともあったとしても、部下の意見を上司が採用しなかったことが法的な問題となる、つまり部下の意見を採用しなかったことが、なんらかの違法行為であることが裏付けられなければ、法的解決の余地はないことになります。

もしも業務命令が違法行為である場合

ということは、もし上司が、何らかの法に触れるような業務命令を出しているような場合には、そもそもその業務命令は無効ですから、応じる必要は無い、とも言えます。法に触れる業務命令とは、具体的な法律違反を犯すような行為をさせるようなものだけでなく、その部下がとても履行することができないような過重な業務を命ずることや、著しい不利益を部下に与えるような命令も含まれます。よくあるトラブルでは、業務とは関係のないことを命ずるものがあります。

これらの「業務」命令は、業務上の範囲を超えたものとして無効となるものです。が、その判断は微妙な場合が多いものです。即法的なトラブルであるのかが判断できないとしても、話し合いによる解決を図ることはできます。そうした意味でも、話し合いによる解決は、オールマイティなのです。

具体的なケースへの対応については、ご相談メールをお送り下さい(「パワハラ相談窓口」のページへのリンク)。

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